新入社員の育成において、私たちはつい「何を教えるか」「どう指示するか」に意識を向けがちです。
しかし今、本当に問われているのはどう関わるかという姿勢です。
同じ言葉でも、受け手の状況や経験、価値観によって意味は変わります。
順調に見える新人が実は不安を抱えていることもあれば、叱責ではなく“期待”として背中を押してほしい場面もある。
だからこそ育成は、マニュアル通りには進みません。
鍵を握るのは――「関係性の質」と「共創の姿勢」です。
🧭 今、求められるリーダーシップの本質
これからの時代に必要なのは、管理や統制ではなく、共に創るリーダーシップです。
✅ 心理的安全性の確保
安心して質問・相談・挑戦・失敗ができる環境づくり。
日々の挨拶、傾聴、否定しない姿勢が土台になります。
心理的安全性は「甘さ」ではなく、「挑戦を可能にする基盤」です。
✅ インクルージョン(包摂性)
価値観や背景の違いを「修正すべきもの」ではなく「活かす資源」と捉える視点。
多様性を受け入れることは、組織の創造性を高めることにもつながります。
✅ コーチング型の関わり
答えを与えるのではなく、問いを通して考えさせる。
「あなたはどう思う?」の一言が自律性を育てます。
すぐに正解を示さず“待つ勇気”も、重要なリーダーシップです。
✅ アダプティブ思考(適応力)
状況に応じて関わり方を柔軟に変える力。
新人の成長段階に合わせて、支援の濃淡を調整する視点が求められます。
これらが揃ったとき、新入社員は「指示で動く人」ではなく、
自ら考え、動ける人材へと成長していきます。

🌱 新入社員育成におけるリーダーの4つの役割
① 🌿 安心感をつくる
小さな声かけや反応の積み重ねが信頼を生みます。
「困っていない?」の一言が、孤立を防ぎます。
② 🧭 方向性を示す
「なぜこの仕事をするのか」を伝えることで、作業は意味のある挑戦に変わります。
目的を理解した新人は、主体的に改善提案を出せるようになります。
③ 🛠 成長機会を設計する
🔹 少し背伸びすれば届く目標
🔹 成功体験を積める段階設計
🔹 振り返りの時間
成長は偶然ではなく、設計によって生まれます。
特に重要なのは、「任せた後のフォロー」。挑戦の後に言語化の時間を設けることで、経験が学習へと昇華します。
④ 🤝 対話の場をつくる
定期的な1on1や振り返りは、信頼を深める時間。
話す内容よりも「話せる関係性」が重要です。
短時間でも構いません。継続することが安心感を育みます。

🔑 実践に必要な3つのスキル
🟡 ① 観察スキル
・表情や声のトーン
・成果だけでなくプロセス
・「できているか」より「どう感じているか」
変化は小さなサインから始まります。
違和感に気づけるかどうかが、早期支援の分かれ道になります。
🔵 ② 対話スキル
GROWモデルを活用しながら、
G:目標
R:現状
O:選択肢
W:意志
を整理し、本人の言葉で気づきを引き出します。
リーダーの役割は“導く人”ではなく、“整理を支援する人”です。
🟢 ③ フィードバックスキル
SBI(Situation・Behavior・Impact)を活用し、
✔ 具体的な状況
✔ 観察した行動
✔ その影響
を伝える。
さらに「次にどう活かせるか」を一緒に考えることで、前向きな成長対話になります。
⚠ よくある育成の落とし穴と回避策
❌ 放任になってしまう
任せる=放置ではありません。
【目的・期待・支援】の3点セットが必要です。
❌ 過干渉になってしまう
細かな指示は安心感を奪います。
問いかけで考える余白を残しましょう。
❌ 一律対応になってしまう
新人は一人ひとり違います。
成長スピードや自信の度合いを見極める視点が不可欠です。

🌟 育成は「関係性の質」で決まる
育成の成果を分けるのは、制度や仕組みだけではありません。
最終的に影響を与えるのは、日々の関係性です。
・安心して挑戦できる
・失敗しても立ち上がれる
・自分の意見を言える
そんな環境の中で、人は最も成長します。
また、関係性の質は一朝一夕には築けません。日々の小さな約束を守ること、誠実に向き合うこと、相手の成長を信じ続けること――その積み重ねが信頼となり、やがて自律と挑戦を後押しする土壌になります。
そして忘れてはならないのは、育成は一方向の行為ではないということ。
新人と向き合う過程で、リーダー自身もまた学び、視野を広げ、成長していきます。
共に育つ関係こそが、組織の持続的成長を支える原動力になります。
指導から支援へ。
管理から共創へ。
その一歩を踏み出したとき、育成は「教える営み」から
共に未来を創るプロセスへと進化するのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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