新入社員の育成は、単なる業務習得の支援ではなく、組織の未来を担う人材を育てるという極めて重要な役割です。 しかし、現代の職場環境は多様化・複雑化しており、新入社員の個性や価値観、育ってきた背景も千差万別です。従来の一律的な指導方法では、彼、彼女らの可能性を十分に引き出すことはできません。
そこで今、育成に携わる上司や先輩には、メンター/チューターとしての新たな関わり方が求められています。 それは、指導者というよりも支援者として、個々の成長に寄り添い、対話を通じて自律性と主体性を育てる存在です。
この研修では、以下の3つの目的に沿って、これからの新入社員育成に必要な支援力を体系的に学びます。
🎯目的
❖ 組織における“ひとづくり”の重要性を再確認し、OJTの基本を理解する
新入社員育成は、組織のビジョンや方針に沿って、個々の能力や潜在力を引き出す営みです。 そのためには、単なる業務指導ではなく、人が成長しやすい環境を整えるという視点を持つことが不可欠です。
このパートでは、OJT(職場での実践的な指導)の目的やプロセス、そしてメンター/チューターとしての役割や心構えを学びます。 計画的な育成設計、信頼関係の構築、日常の声かけやフィードバックの積み重ねが、職場の活性化と人材定着につながることを再確認します。
❖ メンター/チューターとしての関わり方を理解し、自身の育成スタイルを磨く
新入社員の育成には、個々の成長段階や性格に応じた柔軟な関わり方が求められます。 そのためには、まず自分自身の育成スタイルや関わり方の傾向を理解し、必要に応じてアップデートすることが重要です。
このパートでは、メンター/チューターとしての基本姿勢(傾聴・共感・問いかけ・承認)を学びながら、 指導するから支援するへの意識転換を図ります。さらに、1on1の設計や振り返りの技法を通じて、 新入社員の気づきと内省を促す関わり方を習得します。
❖ DiSC視点による、新入社員育成ポイントの把握と効果的な支援法を習得する
新入社員の育成には、個性や行動特性を理解したうえでのコミュニケーションが不可欠です。 そのために有効なのが、DiSC(行動特性分析ツール)という視点です。
DiSCでは、人の行動特性を4つの型(D型:主導型、i型:感化型、S型:安定型、C型:慎重型)に分類し、 それぞれの特徴・強み・弱み・動機づけ要因などを分析します。
このパートでは、自身と新入社員のDiSC型を診断し、行動特性別の育成ポイントやコミュニケーションの工夫を学びます。 伝え方、フィードバックの仕方、モチベーションの引き出し方など、実践的なスキルを身につけることで、 より効果的な育成が可能になります。

📚カリキュラム
午前(9:00~12:00)
1.職場における“ひとづくり”とは
- 職場活性化の要件とメンター/チューターの役割
- OJTの目的とプロセス
- 計画的な育成設計と信頼関係の築き方
2.メンター/チューターとしての育成スタイルの理解
- 自己理解と育成スタイルの棚卸し
- 指導から支援への意識転換
- 対話型関わり(1on1、振り返り)の設計と実践
午後(13:00~17:00)
3.新入社員の行動特性別育成法(DiSC活用)
- DiSC理論の基礎と4つの行動特性
- 行動特性別の傾向と育成ポイント
- 行動特性別コミュニケーションの工夫
- フィードバックの伝え方と動機づけの方法
4.メンター/チューターとしての自己成長と職場への応用
- 自身のDiSC特性の理解と育成スタイルへの応用
- メンター/チューターとしての成長課題の明確化
- 職場での育成文化づくりに向けたアクションプラン

🧩まとめ|育成は「関係性の質」と「自己理解」から始まる
新入社員育成は、単なる業務指導ではなく、未来の組織をつくる“ひとづくり”の営みです。 そのためには、メンター/チューター自身が関係性の質を高め、自己理解を深めることが不可欠です。
メンター/チューターとしての関わり方は、相手の可能性を信じ、共に成長する姿勢を持つことであり、行動特性別の対応力などを磨くことで、育成はより効果的なものになります。
この研修が、新入社員育成に携わる皆さまの視野を広げ、職場に新たな風を吹き込むきっかけとなれば幸いです。
研修情報提供元 :
JMI(株)日本マネジメント協会東部©
株式会社日本マネジメント協会(宮城県仙台市・東京都)|ビジネス研修・セミナー(DiSCディスク、FST、CNOSS)