21.【CS調査シミュレーション研修~顧客満足度の本質とカスハラ予防につながる“聞く力・見る力・考える力”を育てる〜】1日コース

顧客満足/CSマネジメント

対象:管理職、監督職、中堅社員

顧客満足度(CS)は、企業活動の成否を左右する重要な指標のひとつです。CSが高ければ、リピート率や口コミ効果が向上し、新規顧客の獲得にもつながります。しかし、満足度が低下すると、クレームや悪評が拡散し、競合への流出やブランド毀損を招く恐れがあります。

CSの向上とは、単に商品や価格の見直しだけでは語りきれません。接客の質、アフターサービス、店舗・サイトの印象、対応時の安心感――あらゆる顧客接点の“体験”がCSを形成します。

さらに、近年では理不尽な要求や攻撃的態度などによる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が社会課題となっています。顧客の満足を重視しすぎるがゆえに、従業員が無理をしてしまったり、対応の限界が曖昧なまま不安定な関係性に陥るケースもあります。

そこで注目されるのが、本研修で扱う「CS調査シミュレーション」という手法です。CS向上とカスハラ予防、双方の視点をバランスよく取り入れながら、顧客満足の構造を深く理解し、改善に向けた具体的な行動へとつなげる力を育てます。

研修概要とアプローチ

本研修では、CS調査の基本から実践までを「聞く」「見る」「考える」「行動する」の4ステップで構成されたシミュレーション形式で学びます。

  • 聞く:顧客アンケートやインタビューを通じて、満足・不満・期待の“声”を丁寧に拾い上げる
  • 見る:データ化された声をグラフや分析シートに整理し、全体の傾向を可視化する
  • 考える:自社と競合の差分、期待と体験のギャップ、改善優先項目を見極める
  • 行動する:課題を言語化し、現場で具体的に動き出せるアクションプランを立案する

この一連のプロセスにより、“根拠ある改善”を重視する企業文化が育まれ、従業員が顧客と向き合う上での適切な距離感や限界認識にもつながります。

研修目的

❶ 顧客満足(CS)の本質理解と時代背景への対応

CSは、顧客の「期待」と「体験」の差分によって成り立ちます。満足とは期待を超える体験、逆にギャップが大きければ不満につながります。近年は、SNSやレビューサイトの影響により顧客の声が広く共有されるため、企業は“満足設計”だけでなく、“不満予防”にも戦略的に取り組む必要があります。

❷ 接客視点と従業員視点の両立

顧客対応時の表情、態度、言葉づかいは、満足度に直結します。同時に、過剰な期待や攻撃的な言動にさらされた際には、企業が従業員の安心と判断力を守る視点も欠かせません。CS調査は「顧客にどこまで応えるか」だけでなく、「どこで線引きすべきか」を考えるヒントにもなります。

❸ データから課題を発見し、改善行動につなげる力

CS調査は単なる数値取得ではなく、顧客視点でサービスの質を客観的に評価し、改善すべき重点項目を導き出すことが目的です。本研修では、期待度×満足度、平均点、体験値と期待値の差分など複数の分析手法を用いて、強み・弱み・差別化要素を見極めたうえで、組織として動ける改善策を言語化します。

CS調査 × カスハラ対策の融合ポイント

項目目的カスハラ対策とのつながり
顧客アンケート設計顧客の“本音”をつかむ感情的要求と合理的不満の分類に役立つ
体験値・期待値の測定ギャップを数値化過剰な要求の背景分析につながる
ポートフォリオ分析改善優先順位の整理対応方針の明確化と限界設定に活用可能
アクションプラン作成組織的対応の可視化現場の対応力強化と心理的安全性向上

研修カリキュラム(例)

【午前:9:00〜12:00】

  1. CSが重視される背景と企業課題  
    ・SNS時代の顧客接点と声の影響力  
    ・SS=MS+CS+ESの関係性(販売+満足+従業員満足)
  2. CSの定義と設計視点  
    ・CS導入の目的/効果と戦略的重要性  
    ・サービス品質モデルと期待値の可視化  
    ・CSマネジメント導入ステップ
  3. CSリサーチと調査票作成  
    ・「真実の瞬間」の抽出方法  
    ・CSリサーチ項目の設計(定量+定性)  
    ・CSアンケート/インタビュー質問票の作成

【午後:13:00〜17:00】

  1. CSシミュレーション実習  
    ① アンケート記入・集計体験  
    ② 期待度/満足度分析(項目別平均点・積算値)  
    ③ サービス品質ギャップ分析  
    ④ ポートフォリオで優先課題を抽出
  2. 改善策とカスハラ予防策の検討  
    ・各改善項目における対応限界の再定義  
    ・従業員が対応に迷わないフレーズ/フロー整備  
    ・過剰要求への冷静な対応と社内連携案
  3. CSレポート作成と発表  
    ・自社の強み/弱み/差別化要素の整理  
    ・重点改善項目とアクションプランの提示  
    ・全体まとめと職場への持ち帰り内容の共有

まとめ

CSを高めるとは、顧客を最優先にすることではありません。顧客との関係性を最適化し、双方にとって安心できる接点を育てていくことです。そのためには、数値だけでなく、背景にある“声の質”を正しく理解し、現場と組織が連携して改善できる力が必要です。

この研修では、CS調査というフレームワークを通じて、従業員が顧客の本質的ニーズに向き合い、冷静な対応と自信を持って行動する力を養います。カスハラ対策の視点も加えることで、職場の安心感と組織力が同時に育まれる構成となっています。

顧客満足と従業員保護を両立するCSマネジメント力を、この機会にぜひ磨いてみませんか。

研修情報提供元 : 
JMI(株)日本マネジメント協会東部©
株式会社日本マネジメント協会(宮城県仙台市・東京都)|ビジネス研修・セミナー(DiSCディスク、FST、CNOSS) (jmi-e.co.jp)

タイトルとURLをコピーしました