対象:管理職、監督職、チームリーダー
変化のスピードが速く、働き方も多様化する現代の職場では、個々が意見を自由に交換しながら組織全体の方向性を一致させる「合意形成」がますます重要になっています。
会議がただの報告や決定の場にとどまってしまうと、アイデアの活性化やメンバーの自律的な行動にはつながりません。
そんな今だからこそ、職場活性化やコミュニケーション改善の中心となるスキルが「ファシリテーション」です。
ファシリテーションとは、会議やワークショップなどで参加者の意見を引き出し、対話を活性化させながら合意形成を促すプロセスのことです。
ファシリテーターは単なる進行役ではなく、組織の中で「関係の質」や「思考の質」を高め、チーム全体の成果に貢献する存在です。
この研修で得られる力
本研修では、ファシリテーターに求められる以下の4つのスキルを体系的に習得します。
- 事前準備:目的と参加者理解を深め、構成と設計を整える
- 話し合いの進行:場を温め、対話を促す進行技法を学ぶ
- 意見整理:発言を構造化し、視点を統合する
- まとめと合意形成:成果を共有し、次の行動につなげる
さらに、リモート環境におけるファシリテーションにも対応できるよう、オンライン会議で活用できるツールやテクニックを実践形式で紹介します。

研修で学ぶ3つの重要ポイント
❶ 職場活性化と組織コミュニケーションの関係性を理解する
- 職場活性化とは何か
単なる雰囲気の良し悪しではなく、個々の能力が引き出され、協働が自然に生まれる状態を意味します。 - 組織コミュニケーションとの関係
ES(従業員満足度)や心理的安全性、情報共有、信頼関係の構築が活性化の鍵。 - ファシリテーションの役割
対話の質を高めることで、職場のムード、意思疎通、業務効率が連鎖的に向上します。
❷ 合意形成型(ファシリテーション)会議のスキル習得
- 従来型会議の限界
発言者が偏る、一方的な報告中心、時間超過、目的不明などの課題を可視化。 - ファシリテーションの定義と効果
意見の収束と多様性の尊重を同時に叶える“中立型リーダーシップ”としての役割を理解。 - 実践技術の習得
目的設定、進行計画、問いかけの技法、リアルタイムの意見整理、オンラインツール(Google Jamboard、Mentimeterなど)の活用法まで具体的に学びます。
❸ 行動特性分析によるファシリテーター力の向上
- 自己理解と他者理解
DiSCなどの行動特性分析を用いて、自分自身の進行スタイルやバイアスに気づきます。 - 行動特性別対応のコツ
主導型、感化型、安定型、慎重型など、参加者の特性に応じた発言促進や意見の整理・受け止め方を学びます。 - 修正点の明確化とアクションプラン策定
改善課題を洗い出し、明日からの実践に活かせる行動計画を立てます。

研修カリキュラム(例:午前3時間)
1.職場活性化と組織コミュニケーション
- 職場活性化の考え方とメリット
- ES向上に寄与するコミュニケーションの役割
- 職場での「関係の質」の測定と改善視点
2.ファシリテーションとは何か
- 従来の会議が陥る構造的問題とは
- ファシリテーターの機能と価値
- 会議スタイルの進化:合意形成型への転換
3.合意形成のステップと技法
- 意見を引き出す問いかけと可視化手法
- 問題に主体的に取り組ませる流れの作り方
- 多様な意見をまとめ、行動に落とし込む方法
4.行動特性とファシリテーターの振る舞い
- 行動特性とは(診断とフィードバック)
- 特性別に注意すべきファシリテーションのポイント
- 自己改善のための行動プラン策定

まとめ
ファシリテーションは、会議を効率化するテクニックではなく、人と組織の関係性を前進させる「つなぎ手」のスキルです。
適切な問いを投げ、異なる視点を調整し、参加者の意欲を引き出すことで、単なる議論を「納得して動ける合意」へと導くことが可能になります。
この研修を通じてあなたが得るのは、スムーズな会議運営だけではなく、職場全体の関係の質を高める触媒としての力。
自らの特性を活かしつつ、他者とつながり、成果につながるファシリテーションを目指していきましょう。
研修情報提供元 :
JMI(株)日本マネジメント協会東部©
株式会社日本マネジメント協会(宮城県仙台市・東京都)|ビジネス研修・セミナー(DiSCディスク、FST、CNOSS) (jmi-e.co.jp)