現代のビジネス環境では、ストレス・コミュニケーション摩擦・急な変化など、感情を揺さぶる場面が多くあります。
そのなかでも 「イライラ」「怒り」 は最も扱いが難しく、誤った表現をすれば対人関係を悪化させ、仕事の質にも影響します。
一方で、怒りは悪ではありません。
自分の価値観が傷ついたときに生まれる“自然な感情” であり、適切に扱えば大切なサインになります。
本研修では、怒りの仕組みを理解し、衝動に振り回されないためのコントロール方法を学びます。
怒りを抑圧するのではなく、健全に扱い、建設的なコミュニケーションにつなげるための実践スキル を身につけていきます。
■ アンガーマネジメントとは何か
アンガーマネジメントとは、怒りを我慢するテクニックではなく、
「怒る必要のあること」と「怒らなくて良いこと」を見分け、「冷静に対応する力を養うこと」
を意味します。
怒りは、次のようなメカニズムで生まれます。
- 自分の価値観・期待と、現実とのギャップ
- 過去の経験・思い込み
- 突発的な刺激によって起きる脳の反応
このように怒りには「理由」があります。
研修では、まずこの仕組みを理解することで、感情を客観視する力を高めます。
すると、
- どんな場面で怒りやすいのか
- その怒りの背景は何か
- どうすれば冷静に戻れるか
が明確になり、感情に振り回されなくなります。

■ 感情をコントロールするための3つの実践スキル
怒りは自然な感情ですが、衝動のままぶつけると職場の関係を悪化させたり、自分が後悔したりします。
そこで必要になるのが 「コントロールスキル」 です。
研修では、誰でもすぐ実践でき、効果が高い次の3つの方法を習得します。
呼吸法(衝動を鎮める技術)
怒りは一瞬でピークに達するため、その直前に 身体を落ち着かせる技術 が有効です。
- 深くゆっくりと息を吐く
- 6秒間、刺激から意識をそらす
これだけで生理的な興奮が落ち着き、冷静に戻りやすくなります。
リフレーミング法(思考を切り替える技術)
怒りは「こうあるべきだ」という思い込みから生まれることが多くあります。
そのため、物事を別の視点で捉え直すことで、感情は大きく変わります。
例:
「部下が遅刻した → だらしない」
➡「トラブルがあったのかもしれない。状況を確認しよう」
視点を変えることで、怒りは軽減し、解決に向けて建設的に行動できます。
アサーション法(適切に気持ちを伝える技術)
怒りを抑え込まず、相手を傷つけずに「自分の気持ち」を表現する方法です。
- 相手への批判ではなく、状況を客観的に描写する
- 自分の感情と要望を“落ち着いた声で”伝える
アサーションは、対立を避けるのではなく、
双方が尊重されるコミュニケーション を目指すものです。

■ 怒りを後に残さない「リセット・リフレッシュ技術」
怒りはピークを過ぎても、心の中にモヤモヤが残ることがあります。
そのままにしておくと、人間関係の悪化やストレス増大につながります。
そこで研修では、怒りを後に引きずらないための「2つの方法」を学びます。
リセット法
頭の中でぐるぐる考え続ける状態を止める技術です。
- 頭の中の出来事を紙に書き出す
- 感情と言葉を分けて整理する
- 自分でコントロールできることに集中し直す
短時間で心が整い、冷静に戻れます。
リフレッシュ法
心身を“いい状態”に戻すための行動です。
- 気分転換の散歩
- 深い呼吸
- 軽いストレッチ
- 環境を変える
「怒りは時間と行動で薄れる」と理解するだけで、気持ちの切り替えがラクになります。
■ 研修カリキュラム(3時間)
この研修は、短時間でも実務に直結するスキルが身につくように構成されています。
1. アンガーマネジメントの基礎理解
- アンガーマネジメントが求められる背景
- 怒りとは何か
- 怒りが生まれるメカニズム
- 怒りの“役割”とリスク
2. アンガーマネジメントの実践スキル
- 怒りと向き合う際のポイント
- アンガーマネジメント3つのスキル
・衝動のコントロール
・思考のコントロール
・行動のコントロール - 避けるべき「悪い叱り方」
- パワハラにならない伝え方
3. まとめ・質疑応答
- 学んだスキルの振り返り
- 明日から使える“最初の一歩”を作る

■ まとめ:怒りは“消す”ものではなく“扱う”もの
怒りは誰にでも起こる自然な感情です。
大切なのは、怒らないことではなく、怒りに振り回されず、適切に行動できる自分になること。
本研修を通して、
✅感情の仕組みを理解し
✅衝動をコントロールし
✅思考を切り替え
✅建設的な伝え方ができるようになり
✅ストレスの少ない人間関係を築けるようになる
こうした変化が、仕事でもプライベートでも、あなたの毎日を確実に楽にします。
安心して人と向き合い、落ち着いて対応できる自分づくり──
アンガーマネジメントは、その大きな第一歩となります。
研修情報提供元 :
JMI(株)日本マネジメント協会東部©
株式会社日本マネジメント協会(宮城県仙台市・東京都)|ビジネス研修・セミナー(DiSCディスク、FST、CNOSS)
