職場における“人づくり”の基本―OJTで育む成長力
職場における「人づくり」の基本としまして、OJT(On-the-Job Training、職場内教育)は欠くことのできない重要な要素です。
OJTは、先輩や上司が実際の業務現場で後輩や部下に対して、業務に必要な知識や技能を直接指導する教育方法です。
実践を通じた学びが得られるため、座学だけでは補えない現場力の向上に大きく寄与します。
さらに深堀すると、OJTはただ単に業務知識を伝える手法に留まらず、そのプロセスの中で対象者の姿勢や考え方、自主性や応用力といった側面の成長をも促します。
しかし、OJTには指導者の負担が大きい、指導の方法にばらつきが生じやすいといったデメリットも存在します。
それゆえ、効果的なOJTを行うためには、計画的な教育プログラムと個々の特性に合わせた柔軟な指導力が必要不可欠です。
そこで、今回ご紹介する本研修では、「人づくり」に伴う人材育成の基本的な考え方から、OJTの進め方、さらに対象者の特性に応じた「個」別対応の考え方を徹底的に学ぶことができます。
具体的には、効果的な指導計画の作成、実施、評価、改善のプロセスを体系的に身につけ、指導者自身のスキルアップとともに部下や後輩の成長をサポートする方法を実習やケーススタディを通じて学びます。
この研修は、OJT指導者や人材育成担当者のほか、組織全体で「人づくり」に関与するすべての方々に向けたプログラムです。
受講者は、研修を通じて自らの指導力を向上させるとともに、部下や後輩の成長を促進するための具体的なツールや手法、さらにはコミュニケーション技法を習得することができます。
最終的には、組織の目標達成や競争力向上へとつながる、質の高い人材育成の実現を目指します。

研修の目的
❶ 人材育成の基本的な考え方の理解
人材育成とは、組織内で「ひとづくり」を実現するための根幹となる活動です。
- 組織全体の目標達成: 社員一人ひとりの能力や成果を正当に評価し、成長意欲を刺激する仕組みは、組織の目標達成や競争力向上に直結します。
- Off-JTとOJTの理解: 組織が設定するオフ・ザ・ジョブ・トレーニング(Off-JT)と、現場での直接指導であるオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)の両面から、効果的な人材育成の方法を学びます。
- 組織の教育体制: 教育方針やカリキュラムの整備、さらには予算や教育環境の充実が、効果的な人材育成の土台となることを理解します。
❷ 計画的なOJTの進め方の習得
OJTは実践的で効率的な人材育成手法ですが、その実施には指導計画の段階ごとに明確なステップが必要です。
- 指導計画の3段階: 「指導計画」「実施計画」「評価計画」の各段階で、対象者のニーズ分析や目標設定、具体的な指導方法、教材の選定、さらに効果測定と改善策の立案を学びます。
- 実践的手法の導入: ロールプレイングなどの実習を通じ、定型化されたマニュアルや指導書の活用方法を習得し、指導の一貫性と効果を高めます。
- 現場での課題解決: 指導者自身が業務の現場で直面する課題を解決するためのアプローチを、実例を交えて学び、効果的な人材育成法を構築します。
❸ 「個」別対応の指導力の向上
すべての対象者は一律ではなく、それぞれ異なる個性やニーズ、能力、モチベーションを持っています。
- 対象者の特性把握: 個々の性格、能力、動機付けなどを正確に把握し、それに応じた最適な指導方法を選択するスキルを身につけます。
- 柔軟なコミュニケーション技法: 説明型、質問型、あるいは対話形式など、多様な指導スタイルを効果的に使い分け、相手の理解度や反応を見極める技術を研修します。
- 自己分析と成長促進: 指導者自らも自己分析を行い、自己改善に努めることで、継続的な成長とともにの成長を促すためのフィードバック方法を学びます。

カリキュラム概要
【午前セッション(9:00~12:00)】
- 組織における「人づくり」の基礎
- 人材育成の意義と、組織全体で「どこ」で「だれ」が育成活動に携わるのかを明確にする
- 能力開発の考え方や種類(Off-JTとOJT)について具体的事例を交えながら解説
- OJT推進の具体案
- OJTの進め方と、求められる指導能力の基礎(コミュニケーション、計画立案、双方向マネジメントの重要性)について学ぶ
- 先輩や上司としての役割や、対象者の能力や特性に応じた指導方法の選定ポイントを詳しく解説
【午後セッション(13:00~17:00)】
- OJT計画の実践と演習
- 指導計画作成のポイントに基づいたOJT計画の策定と実習を実施
- グループディスカッションや個別演習を通じて、実践的な計画作成スキルとその評価方法を習得
- OJT成功の鍵―個別対応と動機付け
- 世代ごと、個々の行動特性やモチベーションを把握した上で、対象者に合わせた指導・フィードバック方法を具体的に学ぶ
- ケーススタディを通じ、実際の課題解決事例の検証と改善策の策定を行う
- まとめと今後の展望
- 研修全体の内容を振り返り、受講者同士で意見交換を行い、今後のOJT推進に向けた実践的なアクションプランを策定
- 研修全体の内容を振り返り、受講者同士で意見交換を行い、今後のOJT推進に向けた実践的なアクションプランを策定
まとめ
本研修は、組織での「人づくり」を実現するために不可欠なOJTの基本概念と、効果的なOJT実施のための計画的な進め方を習得する絶好の機会です。
指導者が個々の特性に合わせた柔軟な対応力を身につけることで、対象者の成長を促し、組織全体のパフォーマンス向上につながります。
実践的な演習とケーススタディを通じて、受講者は自らの指導スキルを確実に向上させ、未来の人材育成に貢献する力を養うことができるでしょう。
研修情報提供元 :
JMI(株)日本マネジメント協会東部©
株式会社日本マネジメント協会(宮城県仙台市・東京都)|ビジネス研修・セミナー(DiSCディスク、FST、CNOSS) (jmi-e.co.jp)